一緒に育っていくORIGAMIドリッパーホルダー“桜”ができるまで
緑の色が眩しい裏木曽、中津川へ
東農桧、木曾桧など良質な木材が取れる産地、中津川。
伊勢神宮(三重県伊勢市)で20年に1度、社殿を建て替える2033年の「式年遷宮」の御用材として用いる木曽ヒノキの伐採も中津川で行われています。
作り手の早川木工所さんは、正式名称“木が大好き早川木工所”、過去に登壇する機会があり
その場で宣言した際に、そのまま名前になったそうです。
「桜の木は、木材にしてから3年目のものを加工に使用します。湿度管理が大変で、湿度が高いと沿ってしまったり、おてんばな感じですが、やさしく滑らかな木肌と色の移り変わりには、特有の美しさを持ち合わせていますね。」
木材それぞれに個性があり、年輪の幅が狭いものもあれば、太いものもあります。
その木がどうやってこれまでの時を経てきたのかが伺えます。その個性を生かし、早川さんはその木にぴったりの加工を施していきます。
現場を見せていただくと、桜の木がホルダーになるまでの工程には、何度も調整し1から10まで自然と向き合い続けた姿勢が伺えました。
「木には、それぞれが育った環境で表情が全く違うんです。川や山間の水がたまる場所で育った木の表情、はたまた太陽を常に浴び続けてきた木の年輪、みんなに個性があり、適した向き合い方があるんです。」
右の木材から左の木材にかけて完成品に近づいていきます。
「丸みやカーブをつけていく部分で何度も調整していく必要があり、削り出す機械の刃を自分で特注してクオリティを上げていきました。ドリッパーの支える部分を安定させるためには、木に対して細かなニュアンスが必要だったんですよね。」
そう語る早川さんは、実際に調整していたドイツ製の特注の刃を見せてくれました。木の個性を知り抜いているからできる刃の選別。
「こだわったのはドリッパーを使用したときに、美しいか、しっかりと水平に支えられているかどうかでした。水平を保つというのは、均等に木を加工する必要があるんです。」
それぞれに個性、歴史がある木という素材に向き合い、使う人が心地よく嬉しくなるようなものを。美しくコーヒーとともにある日常を彩るORIGAMIドリッパーホルダー”桜”は、こうして一つひとつ職人の手により丁寧に作られています。
一つホルダーを作るにも、木材の個性を見抜き加工するため、手間ひまかけて作られています。桜の木の経年変化を楽しめるので、長くお付き合いしたいものです。
自然素材を使うとは育てるという言葉で表現する方も多いのではないでしょうか
この“桜”ホルダーは、その言葉がまさにぴったりです。
コーヒーとの暮らしを積み上げていくそばに、このホルダーは一緒に育っていく。
そう考えると毎日の暮らしが楽しみになってきます。
日本の桜の木のぬくもり、自然の素材を生かしながら、出来上がる1点1点が手作りのORIGAMIドリッパーホルダー“桜”で,
毎日のコーヒーライフを長く楽しんでいただければ嬉しく思います。