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ORIGAMI Online Store

with Makers
漆で描く、ORIGAMIドリッパー

丸嘉小坂漆器店とのものづくり

丸嘉小坂漆器店

三代目 小坂玲央さん、塗師 小坂智恵さん

2024年よりORIGAMIでスタートした、「with Makers」プロジェクト。

“with Makers”は美濃焼のメーカーとしての新たな挑戦、産地や業界の垣根を越えたコラボレーションに取り組み、ORIGAMIの製品を通して、日本のものづくりの文化を伝えたい。

生産の背景や作り手を知ることで、製品を長く大切に愛してもらいたい。

もっとたくさんの人にコーヒーを楽しんでもらいたい。

そんな想いから発足したプロジェクトです。

 

今回は長野県木曽平沢の丸嘉小坂漆器店とコラボレーションし、縞模様が美しいドリッパーや、漆の手仕事が光るガラスサーバー、ドリッパーホルダーを制作いただきました。

 

この記事では、木曽漆器のこと、丸嘉小坂漆器店の仕事についてご紹介します。

漆器とは?日本の暮らしを支えてきた工芸

樹液を採取した後の漆の木

漆器とは、漆(うるし)の木から採れる樹液を塗料として塗り重ねた器で、日本を代表する伝統工芸品のひとつです。

採取した樹液から不純物を取り除いた「生漆(きうるし)」は、そのまま塗料として使われることもあれば、さらに精製して透明な透漆(すきうるし)や、顔料を加えた色漆として用いられることもあります。

 

漆器は耐久性や抗菌性に優れ、軽くて丈夫で熱を通しにくいのが特徴です。

熱い料理を入れても持ちやすく、口当たりがやさしいため、日常の器として長く親しまれてきました。

 

一方で、紫外線に弱いという面もありますが、木材などに漆を塗ったものであれば、土に埋めることで紫外線や微生物によって分解され、自然に還るサスティナブル素材です。

 

江戸時代には各地で漆器づくりが産業として発展し、日本には多くの漆器の産地があります。

 

今回は、ORIGAMIの産地である岐阜県からほど近い長野県・木曽地方の「木曽漆器」に焦点を当ててご紹介します。

木曽漆器とは|400年続く木曽の漆文化

木曽漆器は、長野県塩尻市の木曽平沢を中心に作られている漆器で、その歴史は室町時代にまでさかのぼります。

 

木曽五木(ヒノキ、サワラ、アスナロ、コウヤマキ、ネズコ)を素地とし、生漆を薄く何度も塗り重ねて、木材を保護しながら木目の美しさを引き立てる「摺り漆(すりうるし)」の技法が多く用いられました。

 

明治初期には、鉄分を多く含む「錆土(さびつち)」が地元で発見され、下地材として用いられるようになりました。この錆土によって下地が強化され、丈夫な漆器が生まれます。

 

輪島塗のように献上品として発展した華やかな漆器がある一方で、木曽漆器は桶や弁当箱など、日々の暮らしに寄り添う器として育まれてきました。

 

木曽の豊かな森林資源を活かしながら、実用性と美しさを兼ね備えたものづくりが受け継がれていることも、木曽漆器の大きな魅力です。

漆器の町・木曽平沢

丸嘉小坂漆器店は、木曽谷の深い森に囲まれた旧中山道沿いの小さな町、木曽平沢にあります。

旧中山道は、江戸時代の五街道のひとつで、東京・日本橋と京都・三条大橋を、長野や岐阜の山間部を経由して結ぶ約534kmの街道です。

 

江戸時代、険しい山々に囲まれた木曽谷では、豊富な森林資源を活かした木曽漆器が地場産業として発展しました。

木曽漆器は中山道を通じて全国へと運ばれ、多くの人々に親しまれるようになります。

 

贄川宿(にえかわじゅく)と奈良井宿の間に位置する木曽平沢は、現在も多くの漆器店や工房が軒を連ねる「漆の町」です。町並みは国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

毎年6月と10月に開催される「木曽漆器祭」には、職人の逸品を求めて全国から多くの人が訪れます。

丸嘉小坂漆器店について|木曽で続く漆の仕事

丸嘉小坂漆器店は1945年、初代・小坂嘉男さんによって創業されました。

漆器づくりを代々営んできた小坂家の分家に生まれた嘉男さんは、漆器の下地づくりや上塗りを手がける工房として事業を立ち上げ、丸嘉小坂漆器店の基盤を築きました。

 

二代目の小坂康人さんは、漆器の上塗り技法の中でも最高峰とされる「黒呂色塗り」の技術を取り入れ、主に業務用漆器の製造を担う職人として木曽漆器の産地を支えてきました。その後、1990年代初頭のバブル崩壊をきっかけに、自社で製造から販売まで行う体制へと大きく舵を切ります。

 

現在は三代目の小坂玲央さんが事業を継承。

木工の技術を取り入れながら、先代から受け継いだ漆の技と向き合い、木曽漆器の伝統を大切にしつつ、現代の暮らしに寄り添う新しい漆器づくりに取り組んでいます。

丸嘉小坂漆器店のものづくり|木工と漆硝子の技術

木地師の仕事

漆器づくりの現場では、漆を担う「塗師」と木地をつくる「木地師」が分業しているのが一般的です。

丸嘉小坂漆器店では、その両方を自社で手がけています。

 

丸嘉小坂漆器店でも制作している「曲げ物」は、薄く加工した木材を円形や楕円形に曲げてつくる、日本の伝統的な木工品です。

 

まず丸太を「みかん割り」と呼ばれる技法で木材を切り出し、刃物を使って木材に切り込みを入れ、その切り込みから手で割くことで、さらに薄い板をつくります。

こうしてできた板は熱湯で煮られ、木の繊維を柔らかくして曲げやすい状態に整えられます。

 

その後、専用の型に沿わせながら曲げ、木ばさみで固定して乾燥させます。乾燥後に接着することで、お弁当箱などに使われる側板が完成します。

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木曽五木のヒノキ、サワラ、アスナロ、コウヤマキ、ネズコの葉。
一番右端のコウヤマキの葉以外は、プロでも木の幹を見ないと見間違えてしまうほど、どれもよく似た形をしています。

葉はよく似ていても、木材の香りはどれも特徴があり、丸嘉小坂漆器店の木の加工場はまるで森林の中にいるような木々の青々した香りに包まれています。

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塗師の仕事

丸嘉小坂漆器店はもともと、漆を施したテーブルや椅子などの家具を中心に製造し、主に百貨店の催事で販売していました。

 

転機となったのが、二代目・小坂康人さんが開発した「漆硝子」です。

 

この技術をさらに発展させるため、三代目・小坂玲央さんは2013年に自社ブランド「hyakushiki」を立ち上げました。

当時の漆硝子は、ワイングラスなどの酒器にシンプルな色の漆を施したものが中心でした。

しかし、デザイナーとの協業を通じて新たな発想や色彩表現を取り入れたことで、漆による表現の可能性は大きく広がっていきます。

 

現在では、ガラスの皿やボウル、カップなどに漆で絵付けを施した、現代の暮らしにも馴染むプロダクトを展開しています。

木曽檜を使った手触りの良い曲げ物と、ガラスに施された透漆が重なり合う模様が美しい「帯輪トレー」。

丸嘉小坂漆器店の木工と漆硝子、その二つの技術が出会って生まれた、丸嘉小坂漆器店らしさが息づく一品です。

ORIGAMIとのコラボレーション|製品の制作ポイント

ドリッパーS [ao]と[fuji]

ORIGAMIドリッパーの象徴ともいえるリブ形状は、美しさと機能性を兼ね備える一方で、一般的な陶磁器の絵付け技法では模様を施すことが難しい形状です。

 

そこで着目したのが、丸嘉小坂漆器店が手がける「漆硝子」の技術でした。

 

ガラスに漆を焼き付けるこの技法なら、ガラス質の釉薬で仕上げられたドリッパーにも新たな表現ができるかもしれない。

さらに、丸嘉小坂漆器店を象徴するブランド「hyakushiki」の縞模様のボウルやカップを目にしたとき、その表現をORIGAMIドリッパーに取り入れたら面白いのではないかと思いました。

 

そんな発想から、今回のコラボレーションが始まりました。

 

そこで今回は、ドリッパーSのマットブラックとマットピンクをベースに、それぞれ漆による絵付けを施していただきました。

 

ORIGAMIの特徴的なリブ形状と、漆で描く縞模様が融合した、これまでにない表情のドリッパーが完成しました。

「普段扱っているガラスとは異なり、ドリッパーは表面の質感が漆を吸い込むため、素材に慣れるまでは難しかったですね」と、塗師の小坂智恵さんは振り返ります。

 

また、普段絵付けを行う器とは形状が大きく異なり、ドリッパーはリブに沿って一本ずつ線を描くため、その都度筆を入れる角度が変わります。その感覚を掴むまでにも時間を要したそうです。

 

今回のカラー名である「ao」と「fuji」は、小坂さんが名付けてくださいました。

「ao(碧)」は、瑞々しい青緑色で、木々が生い茂る木曽の山々を表現しています。

「fuji(藤)」は、紫や桃色の漆を重ね、たおやかに咲く藤の花をイメージしたカラーです。

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アロマガラスサーバー [縞] [ao]と[fuji]

ドリッパーに合わせて、アロマガラスサーバーにも漆による絵付けを施していただきました。

 

ドリッパーの軽やかな縞模様に対し、サーバーには太く伸びやかな線があしらわれています。

二つを組み合わせることで、それぞれの異なる表情もお楽しみいただけます。

 

一見すると勢いよく描かれたように見えるこの線ですが、実は繊細な技術によって生み出されたものです。

漆は厚く塗ると塗膜表面に縞が入ってしまうため、塗膜の厚みが均一になるよう細心の注意を払いながら、一筆ずつ丁寧に描かれています。

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アロマガラスサーバー [透漆]

こちらは、アロマガラスサーバーに透漆を施したものです。

縞模様の絵付けとは異なり、透漆は塗り重ねることができないため、ガラス面に埃が付着しないよう注意を払いながら、ろくろを使って一度の塗りで仕上げられます。

 

塗りたての透漆はかなり薄い色をしていますが、「室(むろ)」と呼ばれる温度と湿度を管理した専用の保管庫で硬化させることで、深い飴色に変わります。

硬化が進むにつれて、漆の透明度が増し、飴色は少しずつ明るくやわらかな表情へと変わっていきます。

 

アロマガラスサーバー[透漆]は、漆本来の透明感と、時間とともに移り変わる表情を楽しめるアイテムです。

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ドリッパーホルダー [桜 黒漆] 

ドリッパーホルダー [桜 黒漆] は、岐阜県・中津川にある早川木工所で、桜の木を使って一つひとつ丁寧に仕上げたドリッパーホルダーに、丸嘉小坂漆器店の職人が黒漆を刷毛で手塗りをしています。

 

桜の木でつくられたホルダーは手触りがよく、手にしっとりと馴染みます。

黒漆は使い込むほどに艶が増し、色がだんだん明るくなっていきます。

刷毛で黒漆を塗る

刷毛で塗った後に布で拭く。丸嘉小坂漆器店では「黒摺」といいます。

1回目に拭いた後。これを3回繰り返します。木目の出方によって色の入り方が微妙に異なります。

丸嘉小坂漆器店のこれから

丸嘉小坂漆器店の癒し担当、ジロウさん

今後のものづくりについて、三代目の小坂玲央さんに伺いました。

 

「これからは少しずつ新しいことにも挑戦しながら、木曽漆器の伝統を大切にしつつ、その魅力や価値をさらに高められるものづくりを続けていきたいですね。」

 

日本各地のものづくり産地では、後継者や職人不足が大きな課題となっています。そんな中、丸嘉小坂漆器店では若い世代の職人たちが活躍し、伝統技術が次の世代へと受け継がれていました。

 

木曽漆器らしい素朴で上質なお弁当箱(めんぱ)や、多彩な漆で彩られたガラスの器など、丸嘉小坂漆器店のプロダクトは、思わず手に取ってみたくなる、どれも心が躍るものばかりです。

 

木曽の自然や文化に育まれた伝統技術と、現代の暮らしに寄り添う柔軟な発想。

その両方を大切にする丸嘉小坂漆器店のものづくりに触れ、今回のコラボレーションはORIGAMIにとっても新しい挑戦であり、その意義を改めて実感する機会となりました。

「漆器」と聞くと、艶やかな朱色や黒色の伝統的な食器や、祝いの席や格式のあるお店で使われる特別なもの、というイメージを持つ方も多いかもしれません。

 

しかし漆器は、伝統工芸品や美術品としてだけでなく、日々の暮らしの中で長く愛用できる生活の道具でもあります。

 

日本の文化として受け継がれてきた漆器の魅力を、もっと多くの人に知ってほしい。

そして実際に手に取り、日常の中で使ってほしい。

 

そんな想いから、ORIGAMIは丸嘉小坂漆器店さんとコラボレーションしました。

 

ORIGAMIらしさと丸嘉小坂漆器店の技術が出会って生まれた今回のプロダクトが、漆器を暮らしに取り入れるきっかけになればうれしく思います。

 

そして、この製品を手に取ってくださった方のコーヒーの時間が、より豊かで楽しいものになりますように。

特設ページ

丸嘉小坂漆器店

〒399-6302 長野県塩尻市木曽平沢1817-1

https://maruyoshi-kosaka.jp/

info@maruyoshi-kosaka.jp

@maruyoshi_kosaka

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