コロナ禍を乗り越え新たなステージへ。抹茶ラテアート大会
「Japan Matcha Latte Art Competition 2022」
コロナ禍に入ってから2、3年が経ち、ウイルスに対する認識がどんどん変わってきたことによって、盛り上がり方が大きく変化しましたね。規制もかなり緩和されて、今回は競技者に加えて100名のお客さまを本大会に招くことができました。
また、出場者の方も全国各地から参加してくださり、「Japan Matcha Latte Art Competition」が全国規模で認知されていることを実感できた大会にもなりました。
大会の知名度もそうですが、抹茶ラテアートというシーンが広がっていることが嬉しいですね。
ちなみに、出場者から「自分がラテアートを始めるきっかけになった憧れのバリスタと戦えて光栄だった」といった声をもらうこともあります。「Japan Matcha Latte Art Competition」には、これまでに権威ある大会での受賞経験を持つ方も参加してくれているんです。メジャーなラテアート大会にはもう出場していないようなレジェンドたちが参加する流れが、この大会で少しずつ生まれてきています。「まさか同じ舞台で戦えるとは思っていなかった」と、出場者たちに喜んでもらえています。
赤堀製菓専門学校の協力のもと、初めて学生向けの大会を行いました。学生大会の優勝者がシードで本大会に出場できるというかたちで、「Japan Matcha Latte Art Competition」ともリンクさせています。
学生さんたちのモチベーションや刺激につながるということで、学校側からも高い評価をいただきました
そうですね。今後はさらに、学生大会と本大会それぞれの魅力を最大限に感じてもらえるよう、ルールを磨き上げていこうと話しているところです。今回は両大会ともにルールは共通する部分が多かったのですが、違いを出せるところは出していけたら、両大会の意味ももっと高まっていくのではと考えています。
もう少し、出場者のみなさんに自由にラテアートを作ってもらえるようなレギュレーションを検討していきたいですね。たとえば現在は、抹茶のグラム数は5g、お湯の量は50ccと決まっているのですが、出場者からは「もっと量を増やせればいろいろなチャレンジができそう」という声をいただいています。
カップも、もう少し大きなものを使うことで、ラテアートで作る絵柄の選択肢が広がったり、それぞれの持ち味をアピールしてもらえるようになりそうです。今は次の大会に向けて、このあたりの決まりごとをどこまで変更すれば、競技性を損なうことなくもっと個性を楽しめる大会になるか、バランスを探っているところです。
それと、エンタメ性もさらに高めていきたいですね。本大会の審査ではお客さんからの一般投票も受け付けていたり、競技中にはリアルタイムで解説をしてもらっていたり、現時点でもいろいろ工夫しています。解説については、「意図を汲んで伝えてもらえてうれしかった」と、出場者からも好評です。コロナの規制下での大会ではライブ配信の試みもしてきて、こちらも好評でした。まだまだやれることを探っていきたいと思っています。
今はとにかく、「Japan Matcha Latte Art Competition」をいかに広げていくかということに注力しています。今年開催した学生大会ともさらに親和性を深めて、若い世代にも抹茶ラテアートのシーンを浸透させていきたいですね。そして、いずれは海外でも大会を開催できたらと考えています。今年の大会で実感できた手応えをもとに、多くの人にお茶の世界の魅力を知ってもらうきっかけを届けていけたらうれしいです。
コロナ禍を経て、新たなステージへと踏み出した「Japan Matcha Latte Art Competition」。高いレベルで繰り広げられる抹茶ラテアートでの競い合いが、お茶業界とコーヒー・バリスタ界を結びつけ、盛り上がりを見せています。
今後も、学生大会の浸透や世界大会の開催など、小山さんたちの新しい挑戦が楽しみです。